2018/4/1 -刈谷あいおいホール- セミファイナル～ファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

2018/4/1 -刈谷あいおいホール- セミファイナル～ファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！
 
 

 
 

【56.0kg契約６回戦】
飯見 嵐(ワタナベ)　vs　高瀬 衆斗(蟹江)

・飯見 嵐　5戦4勝(4KO)1敗
・高瀬 衆斗　6戦4勝(1KO)1敗1分
 

昨年、全日本新人王決定戦まで勝ち上がりながら、惜しくもその栄冠を逃した二人。
飯見は東日本新人王MVPで全日本新人王を確実視されながら、下町 俊貴(グリーンツダ)に敗北。
勝った下町は全日本新人王MVPを受賞している。

お互いに同じところまで勝ち進みながら、その名前の大きさは飯見の方が格段に大きいだろう試合。
飯見は岡崎市出身…地元が近い刈谷で凱旋とも言える試合。
飯見を格上と見る空気も強く感じた。

しかし…中日本を見続けているファンなら、有望選手に勝ってきた高瀬の強さは知っているはず。
セミファイナルにふさわしい強者同士の戦い。
 
 

1R、お互いに好戦的な出だし。
攻めてかかった飯見に対し、全く下がらずに応戦した高瀬…真っ向勝負。
スピードに乗った切れ味鋭いパンチの応酬。
お互い強烈に捉え合う。
 

2R、頭を着けてのインファイト。
上も下も捉え合う二人だったが…ぐっと体を傾けて体重を乗せた飯見のボディが高瀬を突き刺す。
このパンチがきっかけでズルズルっと後退した高瀬。
コーナーに追い込んだ飯見は、さらに腹をぶち抜き、さらに上を捉える。

飯見は一気にラッシュし、手が出なくなった高瀬。
レフリーが止めるか…といったギリギリのところで何とか手を出して逃れた高瀬。
しかしさらに腹を叩かれると、またもコーナーに追い詰められる。
飯見のラッシュにさらされた高瀬だが、ここはゴングに救われる。
 

3R、ダメージを引きずりながら、頭を着けて撃ち合った高瀬。
しかし…ラウンド前半こそ互角に撃ち合ったが…腹を効かされヨタヨタと後退。
そのまま顔面を襲われ、ダメージが噴出したかのように腰が砕けた高瀬。

タオルが投げ込まれるのと同時にレフリーが試合をストップ。
 

TKOタイムは3R　1分33秒
 
 

飯見の強さばかりが際立った試合。
あまりにものその強さに鳥肌が立った。
群雄割拠の中日本のスーパーバンタム級だが…そのトップ戦線の選手でも勝てるだろうか。

そして、そんな飯見に勝った男がいる。
ボクシングの頂きの高さを感じさせる試合。
 
 
 

こんな男と真っ向から撃ち合った…。
ボロボロに効かされながら最後まで撃ち合おうとした…。
高瀬の強さと真価が垣間見える試合。
負けゆくボクサーの美しさを猛烈に感じた試合。
 

高瀬のボクサーズロードはまだまだ序章。
全日本新人王からの連敗が、きっと起点になる。
重厚なドラマが構築されていくはずだと思っている。
 
 

 

【スーパーフェザー級６回戦】
森 武蔵(薬師寺)　vs　ワッタナチャイ・シットサイトーン(タイ)

日本スーパーフェザー級14位
・森 武蔵　5戦5勝(4KO)
・ワッタナチャイ・シットサイトーン　11戦7勝(2KO)4敗
 
 

昨年唯一、中日本から全日本新人王を獲得した森。
凱旋のリングは初のメインイベンター。
この試合になれば、A級の資格を得ることとなる。

デビュー戦からセミで登場した森に、「負けちまえ」なんて書いたこともあった。
そんな僕の嫉妬心のようなものを結果でねじ伏せる、実力でのランク入り。
 
 

1R、リング中央で向かい合いながら、お互いにジャブを刺し合う。
そこからさらに左ストレートをボディに伸ばした森。

次に二人が接触したタイミング…森のボディがみぞおちに突き刺さり、
ワッタナチャイはこらえきれずに膝からダウン。
もがき苦しみながら立ち上がる…森の速攻劇に実力は見えないがヤル気はあるようだ。

再開後、全く同じパンチをまたみぞおちに受けたワッタナチャイは同じようにダウン。
しかし…あきらめずに立ち上がる。

再開後、ボディを嫌がり体をかがめて顔面からボディまですっぽりとガードで覆ったワッタナチャイ。
コーナーにもたれてダウンだけは拒否しようとする。
ガードの上から滅多撃ちにする森…このままではストップの流れ。
なんとか逃れようとコーナーからはい出しロープを伝う。

追いかける森の攻撃からクリンチで逃れようとしたところ、森の左ストレートが直撃。
失神して崩れ落ちたワッタナチャイ…。
 

TKOタイム　1R 1分52秒
 
 

ワッタナチャイはまともなパンチをヒットさせる間もなくリングに沈んだが…。
悶絶のボディから2度も立ち上がり、最後は防戦一方になりながら必死に負けを拒否した。
1RKO負け…結果とは裏腹に、無気力な選手ではなかった。
森が圧倒したことで、力は見えずだったけれど、ちゃんと戦士だった。

凱旋試合を見事な1RKOで飾った森。
ここから、A級選手として、日本ランカーとして狙われる立場になる。
人材豊富なスーパーフェザー級、一気に駆け上がろうとするなら、さらなるアピールが必要だと思う。
世界王者を期待される森だが…。

日本王者でさえ、その頂は高いところにある。
これから始まるのは日本ランカーという格段にレベルの上がる集団の中でのレース。
若さもあることから、時間をかけて実力を増しながら登っていくのもありだと思うが…。
時間はあっという間に過ぎるモノ。
…どう、戦い抜いていくのか。

この先のボクシングロードが楽しみで仕方ない。
 
 

これですべての興行が終了。
隣で観戦していたファン仲間と一緒に、ダッシュで刈谷あいおいホールを飛び出す。
 

…いざ、大阪へ。
この日は観戦梯子。

大阪で行われる、ABC管轄の大阪天神興行へ向かって走る。
この時点、15：00。

ちょうど大阪天神興行の開場時間。
試合は15：30～。

せめてメインだけでも間に合えば…。
刈谷駅で新幹線のチケットを買い、まずは普通列車で名古屋へ。
そのまま新幹線への乗り換え口をすり抜ける。

名古屋から大阪は1時間弱。
間に合え！！！！！！
 
 

 
 

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