2026/4/5 -愛知・金城ふ頭アリーナ- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2026/4/5 -愛知・金城ふ頭アリーナ- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【バンタム級8回戦】
裵 聖和(DANGAN) vs 村田 碧(松田)

ジャブの刺し合いで始まった試合。
踏み込んで強打を叩くタイミングの奪い合い。
裵が右フックを入れれば、村田が強烈な左ボディを叩く。
ジリジリと詰める村田に、少しずつ下がりながらの裵。

コンスタントにジャブを当てるのは村田の方。
踏み込む前のミドルレンジでは明らかに村田のペース。
2Rには村田が見切ったか、裵のジャブは届かず。
裵が強引に踏み込んだところに村田が左を突き刺してダウンを奪取。

3Rに入っても、村田が前の手で試合を制していく。
被弾もほとんどないままジャブで串刺しに。
足を大きく動かすわけでもなく、前後の微調整で裵のパンチを外し、
鋭くジャブを突き刺し、時折ボディを襲う。

4Rには攻勢を強めた裵。
スリリングなタイミングで拳が飛ぶが、その分、
村田が強烈なカウンターで裵を捉える場面も増える。
ラウンド終盤にはボディを叩かれた裵がいったん距離をとる。

5R、村田がもらいながらの右フック、さらには右ストレートなど、大砲で裵を襲い始める。
至近距離での時間が増え、裵の拳も届くようになるが、
村田の固いガードとボディワークの前に、クリーンヒットはわずか。

6R、被弾かまわず撃ち合おうとする裵。
タイミングを測るようにガードを固めて、カウンターを痛打していく村田。
ラウンド前半は手数とヒットで上回る場面を見せた裵だが、
後半、パンチを一気にまとめた村田に、崩れ落ちるように裵が沈む。
同時にレフリーが試合をストップ。

重なった被弾の中でのダメージは深かったか、裵はタンカに載せられての退場となった。

TKOタイムは 6R 2分34秒


村田が圧倒した試合だった…。
完膚なきまでに封じられた裵だったが、弱かったわけではないはずだ。
ボクシングは相対的なもの、力の差があれば強い選手が何もできずに敗れていく。

またも…と言っていい村田の完封劇。
ただし、雁字搦めの展開の中、裵は状況を打開しようと攻めに出た。
攻めれば攻めるほどカウンターを痛打される中、勝ち筋をあきらめなかった。

既に世界ランカークラスとも思える村田。
対戦相手がなかなか見つからない中、この試合にYesを出した勇敢な男。
リングの上に、その姿勢そのものの姿があった。

体重が作れず、戻し制限の上でこの日のリングに立った裵。
減量失敗から来るコンディション不良もあったはず。
全開の裵を見れなかった悲しさがある。

今回の失態から逃げず、またリングに帰ってきてほしいと思っている。
いつか…「強い裵」が見たい。
岐阜の高校総体で見つけ、強い輝きを感じた選手。
あの時感じたものが、正しかったと思わせてほしい。

裵 聖和 5戦2勝2敗1分
村田 碧 10戦10勝(6KO)

 

【スーパーフェザー級4回戦】
ウ・ハン(中) vs 佐藤 陽太(緑)

頭一つ大きな佐藤に対し、グイグイと前に出て強打を振るうウ。
佐藤は長いジャブを刺しながら。攻め込んできたウのボディを痛烈に襲う。

サウスポーの佐藤が痛烈に左ボディーアッパーを突き刺して攻め込もうとするも
入って来るところに左フックを突き刺すウ。
いいパンチをもらっても相手にペースは渡さない。
スイッチを繰り返しながら思い切り振るうウ。
なかなかやっかいな選手。

3R、至近距離に踏み込みウより小さな軌道の強打でウの顔面を跳ね上げる佐藤。
次第に手が出せなくなっていくウに対し、佐藤が下から上へと攻め立てていく。
ロープに押し付けられながら、ガードを固め、上体をゆすりなんとかいなそうとするウ。
痛烈な被弾をいくつも食いながら、時折返す強打は逆転も感じさせる力感。

4R、力強く出ていくウが佐藤を捉え、下がる佐藤だったが
強烈な右フックのカウンターでその勢いを止める。
前に出て強打を振るおうとするも、佐藤がカウンターで幾度も捉えていく。
手は出ずとも、前に前に出るウ。
どれだけ被弾してもタフネスに前に出続け、試合終了のゴング。

マイジャッジは40-36 佐藤

公式ジャッジ、39-37×1、40-36×2の3-0で勝者は佐藤。

抜群のタフネスで攻め込み続けたウだったが、佐藤がその拳で相手の手数を抑制した。
詰めて、押しつぶす戦いがウの理想だったようにも思うが、
その手が出る前に、佐藤が痛打を叩きつけて、ウにやりたいことをさせなかったようにも思う。

それでも前に出続けた勇敢なファイターは、安易な相手ではなかったはず。
佐藤がしっかりと実力を示してのB級昇格。

「メキシコ帰りのルハン」
期待値の高いホープがいよいよ次のグレードへと勝ち上がった。

ウ・ハン 2戦1勝(1KO)1敗
佐藤 陽太 5戦4勝(2KO)1分

 

【スーパーフライ級8回戦】
近藤 冬真(蟹江) vs 犬塚 音也(松田)

ジャブの刺し合いもそこそこにコンビネーションで襲っていく犬塚。
ガードを固める近藤に手を返す隙を与えず、パンチを叩きこんでいく。
ラウンド終盤に入ってようやく、近藤がコンビネーションで捉える場面を見せる。

2Rに入ると「犬塚の距離」の少し内側に入り込み始める近藤。
しつこく追いかけ、その距離を維持しながら拳を当てていく。
スピードあるコンビネーションを叩きこんで犬塚が押し返す場面も作るが、
近藤はしつこくしつこく、距離を潰し、「犬塚の時間」を削っていく。

詰める近藤を強打で襲う犬塚。
本来もう少し距離があった方がやりやすいだろう犬塚だが、
近藤が仕掛けた距離で撃ち合いそこで上回ってみせる。
圧倒的に手が回転する犬塚に対し、一発一発力を込めて返す近藤。
ラウンド終盤には近藤が犬塚をロープに詰めてボディにパンチをまとめる。

ペースは犬塚だが、はっきりと制しかけたところで近藤が押し返す。
3R時点で、近藤の右目にバッティングによるカット。
ドクターチェックは続行。

4Rはいったん犬塚が休んだか、犬塚の手数が減り、
下がる犬塚を近藤が押し付けてパンチを重ねる。
時折襲う犬塚のカウンターには威力があり、近藤が攻める場面でもスリリング。
ラウンド中盤、犬塚に手数が戻ると二人が激しく撃ち合う。

5R、撃ち合う中で近藤のコンビネーションが犬塚を襲う場面が目立ち始める。
紙一重のタイミングで交錯するパンチで捉え合う場面も増え、
大ベテランとスーパーホープが怒涛の撃ち合いを繰り広げる。

6R、手数の落ちた犬塚に対して、今度の手は落ちず。
犬塚は要所でコンビネーションを叩きつけ、ラウンドの印象を近藤に渡しきらない。
ここまで犬塚フルマークもあり、近藤2Pリードもあり。
近藤らしい、ジャッジの難しい試合へ。

7R、頭を着けての撃ち合いとなる。
体ごとぶつけるような近藤のパンチに犬塚が揺れる場面も。
犬塚の拳が痛烈にカウンターで叩きこまれても、近藤は止まらず。
ここに来て、近藤がはっきりと撃ち勝って最終ラウンドへ。

最終ラウンドも頭をつけての撃ち合い。
ここでは手数で犬塚、一発で近藤。
痛烈な被弾にも、犬塚が力を振り絞って怒涛の手数を繰り出していく。
猛烈な手数の中で、ねじ伏せるように犬塚がダウンを奪う。

立ち上がった近藤だったが、レフリーはそのままカウントを数え上げて試合終了。

KOタイムは8R 2分55秒。

凄いものを見た。
大ベテランがホープを苦しめた。
犬塚圧倒と見ることもできるが、苦しい試合であったことは間違いない。

これまで数々の強豪と手を合わせ、苦しめてきた近藤が襲い掛かる中、
最後の最後は撃ち合いで押し返した。
犬塚強しを見せつけ…そして、近藤がまたも恐ろしさを示したようにも思える。
相手が強い距離での戦いを潰し続けての撃ち合い。
自分よりいくつも若い犬塚が休むラウンドを作る中、そこから一気に主導権を奪いにかかる。

犬塚をもってしても、近藤を圧倒するには至らず。
負けてなお、その強さを知らしめる…
恐怖のノーランカーがその存在をまた強く強くリングに残した。

そしてこの難敵中の難敵を押し返した犬塚。
無敗ではない、勢いに乗っているわけでもない。
数々のホープが集結する中、後塵とも言える立ち位置…。
ただし、筋金なら犬塚だ。

今日いる数々の面々をまくり上げる姿も思い浮かぶ。
華々しくもあり、泥臭くもある。
次第にそれはボクサーとしての艶へと昇華されていくようにも思う。
勝ち上がっていけば、きっとより大きな大きなスターになる。
そんな夢を見させてもらえるようにも思えた。


近藤 冬真 24戦8勝(1KO)12敗4分
犬塚 音也 13戦11勝(5KO)1敗1分

 

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