2025/11/30 -愛知・刈谷あいおいホール- セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【52.7㎏契約6回戦】
小川 椋也(天熊丸木) vs 小川 昂輝(駿河男児)
6R判定 3-0(59-55、59-55、60-54)
勝者:小川 椋也
ガードを固めて小さく小さく振るっていく小川椋也。
一発当たれば続けざまにヒットを奪う。
少しずつ下がりながら強く撃ち込むスペースを作って戦う小川昂輝。
痛烈で見栄えのいい一撃を放り込んでいく。
2Rからは大きく足を使う場面も見せる小川昂輝。
サイドへ動きながら角度をつけて撃ち込んでいく。
小川椋也はらしさたっぷりのしつこいファイト。
ボディも重たく削っていく。
終盤5R後半あたりから小川椋也が突き放していく。
しつこくしつこく叩き続け、ボディを削る。
消耗する小川昂輝に対して、最後の最後まで手が回った小川椋也。
死力を振り絞って撃ち合って試合終了。
マイジャッジは59-55で小川椋也。
公式採点は大きく開いたが、4Rまでは五分もあったかとも思えた。
最後の最後は自分のファイトを貫いた小川椋也が突き放した。
初の敗戦となった小川昂輝。
納得したように、勝者に拍手を送り、
どことなく気持ちよさそうにリングを降りていく。
負け姿含めて、これまでで最も小川昂輝の魅力があふれた試合だったようにも思えた。
足を使う姿、ファイトに出る姿、どちらも見せながら、
最後はファイトを選択し、しれつな撃ち合いに身を投じた。
二つのボクシングを会得していくには努力の量もいるだろう。
ファイターからここまで足を使える選手に成長した。
積み上げたものをぶつけていったようにも見えた。
対して、ファイターであるそのスタイルを貫いていった小川椋也。
「この子はプロテストは受けてもいいけど試合はさせちゃダメ」
そう言われた、天熊丸木最弱の男がA級昇格。
ジムの出世頭へと成り上がった。
技術や体力だけじゃなく、二人の物語も、
これまで積み上がったものものもぶつかり合った試合。
名勝負ここにあり。
小川 椋也 10戦6勝(1KO)2敗2分
小川 昂輝 8戦5勝(3KO)1敗2分
【バンタム級8回戦】
樫谷 樹歌(タイガーウイング) vs 平井 乃智(石田)
6RTKO
勝者:樫谷
ジャブの刺し合いで始まった試合。
右ストレートを交えながら、小気味よく樫谷がヒットを奪っていく。
右から入るシーンも多く、右ストレートを数多く突き刺す樫谷。
時折怖いカウンターを振るう平井だが、樫谷の被弾はわずか。
4Rに右ストレートを続々と叩きこんでいた樫谷だったが
平井の右がカウンターで突き刺さり腰を落とす。
あわやの場面をクリンチで乗り切る樫谷。
止まることなく飛び続ける樫谷のジャブ。
時折痛烈に捉える右ストレート。
被弾の重なる平井だが引きはせず…樫谷の右に大砲の右を合わせに行く。
6R、樫谷がボディを重ねると平井の動きが落ちる。
上へもパンチを重ねていき、最後は綺麗にまとめたところ
重なるダメージにレフリーが試合をストップ。
重なり続ける被弾の中、大砲を合わせに行く平井は相変わらずの狂気っぷり。
ただその平井をほぼほぼ圧倒してしまった樫谷。
これまで、新人王戦でも敗退し、他のホープたちに比べて接戦も多かった樫谷。
この試合で実力者の平井を封じ込め、一方的な試合を作って強さを証明。
自分が樫谷を過小評価していたのか…出し切れていなかった実力を出してきたのか。
それともその実力を伸ばしての結果なのか。
何にしてもこれまでの試合とは比べ物にならない戦いぶりだった。
6回戦の頃からメインイベンターを務め、多くの応援に包まれてきた樫谷。
会場に足を運ぶみんなで作った樫谷。
そんな印象もある。
ここから、登っていく姿が待ち遠しい。
西日本の強豪選手を迎えて、樫谷が飛躍の一戦を演じた。
樫谷 樹歌 11戦8勝(2KO)2敗1分
平井 乃智 17戦9勝(1KO)8敗
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