2025/11/28 -東京・後楽園ホール- セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/11/28 -東京・後楽園ホール- セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【フェザー級8回戦】
ソンムサック・ヌオーエー(タイ) vs 矢代 博斗(一力)

鋭く前の手を刺すソンムサックに対し、矢代はじっくりと見ていく立ち上がり。
積極性でしっかりと矢代を上回るソンムサック。
1Rを先取し、勝ちに来ている姿勢をしっかりと示す。

2Rに入ると、サウスポーの矢代が左ボディから右フックを突き刺していく。
ボディを嫌がる素振りを見せるソンムサックだが、
スピードのあるパンチをしっかりと返していく。
矢代は撃ち終わりのケアもしっかり被弾を許さず。

3R、矢代がボディを撃ち込み、撃ち終わりのソンムサックのストレートをしっかり外す。
繰り返していく中で、ソンムサックはついに限界を迎えたか…
ボディを抱えてリングに沈む。
悶絶のままのテンカウント。

KOタイムは3R 1分26秒。

日本6連敗となったソンムサックだったが、
これまで戦った選手たちは「拳の固さ」を口にする選手も多く、
本来難しい選手のハズだった。

2年ぶりの試合。
感覚を確かめるように試合を始めると、完璧に勝利した矢代。
国際試合での勝利を目指してきた相手に危険な場面を作ることなく
付け入る隙を与えずのKO劇だった。

ただ勝つだけでなく、しっかりと強さを示した復帰戦。
ここから、タレント揃いのフェザー級に再びアタックしていくことが楽しみになった。

ソンムサック・ヌオーエー 13戦6勝(4KO)6敗1分
矢代 博斗 6戦6勝(6KO)

 

■OPBF東洋太平洋女子アトム級タイトルマッチ
【アトム級8回戦】
狩野 ほのか(TEAM10COUNT) vs 樋口 藍(一力)

前の手でフェイントを掛け合う立ち上がり、サウスポーの樋口が左ストレートで先制。
ロングレンジでお互いに撃ち込むタイミングを探り合う中、
狩野は距離がつぶれたところからの離れ際に左右フックで反撃。

2Rも駆け引きの戦いが続いていく。
パンチの数自体少ない展開は「いつもの樋口の試合」。
このラウンドは狩野のヒットが上回ったか。
至近距離で狩野が左右フックを連続でヒットさせる場面も。

3R、樋口が入ってくるところに右アッパーを合わせる狩野。
細かいヒットでは狩野がわずかに上回るか。
ラウンド終了間際には樋口が左ストレートで狩野の顔面を跳ね上げる印象的なヒット。
難しいラウンドとなる。

4Rも展開は変わらず。
狩野の右ストレート、樋口の左ストレート。
駆け引きの時間が長くヒットの数自体が少ない。
足を動かすのは狩野の方、リングの中心に近い位置には樋口。

ここで公開採点
マイジャッジ 39-37 樋口

公式ジャッジは39-37で狩野が一人。、
38-38が二人で互角の展開。

5R、積極性が少し増したか…
しかし展開自体は全く変わらず。
浅いヒットは狩野がわずかに上回る。
頭を跳ね上げるような印象的なヒットは樋口。

6R、狩野が出入りしながら右ボディ、右フックで捉える場面が出始める。
この羅運夫はなかなか樋口の左は当たらず。

7R、両者の名前が客席からコールされる応援合戦。
勝負どころのラウンドであることは明らか。
これまで以上にリングを大きく使う狩野、詰めて行く樋口。
ラウンド終了間際に撃ち合った二人、捉えたのは樋口。

8R、もらいながらも入っていき左を撃ち込んだ樋口。
詰めてがむしゃらに拳を振るう。
お互い熱がこもったラスト2分。
本来綺麗なボクシングを展開する二人が、泥臭い展開で終了のゴング。

マイジャッジ
78-74 樋口

公式ジャッジ
78-74 狩野
76-76×2 ドロー

狩野から見て1-0のドロー。

足を使って、テクニカルにヒットを奪っていく印象の狩野。
その強い狩野のボクシングが展開された時間はほぼなかったように思える。
駆け引きの時間が長く、その中で印象的なヒットでラウンドを獲っていく。
樋口のボクシングの時間が8Rにわたって続いた。

チャンピオンを自分の土俵で戦わせた樋口。
相手の土俵でドローとして狩野。

どちらも「強さ」を見せたように思える。
ただ、狩野はWBO世界1位の選手。
その相手にOPBF東洋太平洋、日本の中位ランカーが引き分けた。
樋口殊勲のドローとも言える。

ベルトは手に入れられなかったが、出した結果からの評価は上昇するだろう樋口。
ここから、より厳しい勝負が待ち受けるはず。
この試合「狩野が悪かった」わけではないことを示すのは
これからの樋口の戦いぶりでもあると思う。

女子アトム級の名実ともに注目選手に樋口が加わったと思えるこの試合。
より厳しく、より険しい戦いへ。
見てきたものとして、きっと乗り越えていくはずだと信じている。

そして…世界を獲る選手だと思っていた狩野。
自分としてはその評価は変わらない。
世界に飛び出していった選手が、こういった試合を踏むのはよくあること。
この薄氷防衛を世界戦線へどう生かしていくか…生き残ったからこそ。
狩野の世界へのアタックがいつになるか…より楽しみになったようにも思えた。


狩野 ほのか 14戦10勝(3KO)1敗3分
樋口 藍 10戦4勝3敗3分

 

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