2023/12/16 -台湾・桃園市- FirstDrop Anaconda vs Iron Breath ファイナル、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記・番外編)
【契約体重6回戦】
ジェン・チュン(台湾) vs ファム・フウ・トゥオン(ベトナム)
詰めて行くのはファム・フウ・トゥオン。
右ストレートでジェン・チュンの顔面を跳ね上げるなど攻め立てて行く。
迎え撃つジェン・チュンは足を使いながら強烈な左ボディ、左フックで反撃。
押し込みながらコンビネーションで捉えるファム・フウ・トゥオン。
もらいながらも徹底して強烈にボディをえぐっていくジェン・チュン。
試合は腹の削り合いのファイトへ…
押し合いの中、ファム・フウ・トゥオンの上からの圧力に
ジェン・チュンが膝をつく場面も散見。
腹を削られた押しているファム・フウ・トゥオンだがなかなか落ちて来ず。
逆に圧力高くジェン・チュンをロープに押し込んで手数豊かに強打を叩き込んで行く。
しつこくしつこく攻め続けるファム・フウ・トゥオンに対し、
手数が落ちて来るジェン・チュンだが、4R終了間際には飛び込みながらの左アッパーで
ファム・フウ・トゥオンをグラつかせる。
攻め続けるのはファム・フウ・トゥオンだが、ロープに押し付けられながらも
痛烈な反撃を返していくジェン・チュン。
試合も後半、ファム・フウ・トゥオンの圧力が少しずつ弱まって来ると、
ジェン・チュンが押し返していく場面も出始める。
最終ラウンドは足を使うジェン・チュン、追いかけて捕まえるファム・フウ・トゥオン。
下がりながらもジェン・チュンの反撃は強烈。
かなりタフなファイトが展開されたまま試合終了のゴング。
マイジャッジは57-57のドロー
公式ジャッジは大きく割れる
60-54 ジェン・チュン
56-58 ファム・フウ・トゥオン
57-57 ドロー
とにかくやまない手数のファム・フウ・トゥオン。
“ベトナムの永久機関”とでも呼びたくなる。
ボディを削りに削られたはずが、ほとんど落ちない戦いぶり。
先にジェン・チュンの運動量が落ちて行く状況が信じられない思いだった。
両者痛烈な被弾を重ねながらもしっかりと撃ち合ったファイト。
日本でも名前を憶えてもらえるファイトだと思えた。
両者とも過去、日本のリングには登場済み。
改めてまた、来日してその戦いぶりを見せつけて欲しい。
ジェン・チュン 3戦1勝(1KO)1敗1分
ファム・フウトゥオン 7戦3勝(2KO)2敗2分
【クルーザー級4回戦】
チョン・ジャイヤオ(台湾) vs ラファエル・ミランダ(ブラジル)
MMAファイターのミランダの方が丁寧にジャブから入り、左右フックを振っていく。
チョン・ジャイヤオはガード固く重たいジャブでミランダを吹き飛ばすと強烈なボディをえぐる。
しかし、ミランダも負けじとその強烈なボディに左フックを合わせる。
手数豊かに襲うのはラファエル・ミランダの方。
しかし、チョン・ジャイヤオはガード巧みに受け止めながらボディを返す。
2Rには徐々に撃ち合いになっていきお互いに顔面を襲い合う。
ガードを固めてジリジリと前に出て行くチョン・ジャイヤオ。
圧力はチョン・ジャイヤオが強そうに思えるが、手数は圧倒的にラファエル・ミランダ。
手が出る分ヒット数もラファエル・ミランダが優位か、一発の迫力はチョン・ジャイヤオ。
重量級の大迫力のパンチの応酬の中、チョン・ジャイヤオがカウンターを合わせる場面は背筋が凍る。
最終ラウンドは激しい撃ち合い。
ヒット、手数で上回るチョン・ジャイヤオだが、押し込まれているように見える分
見栄えとしてはラファエル・ミランダの方が見栄えが悪いか。
ラストはチョン・ジャイヤオが一方的に攻め立てて試合終了のゴング。
マイジャッジは38-38でドロー
公式ジャッジ
39-37 チョン・ジャイヤオ
38-38×2
1-0のドロー
試合後、納得がいかないようだったラファエル・ミランダは猛抗議。
正直、手数やヒットを優先すればラファエル・ミランダの勝利でもおかしくなかった試合。
ただし、接戦であったことは間違いなく、最後はジャッジ席に誰が座るかの運。
運が絡まないスポーツは存在しない。
アウェイであることや、国籍にこの勝敗の理由を求めて欲しくはないと感じた。
お互いにあと一歩勝ち切れなかった試合だが、迫力をしっかりと堪能できた試合。
後味がいい試合にはならなかったが、両者次を目指して欲しいと感じた。
チョン・チアヤオ 1戦1分
ラファエル・ミランダ 1戦1分
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