2022/10/16 -愛知・刈谷あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

村井貴裕　28戦16勝(5KO)10敗2分
濱口人夢　12戦6勝4敗2分

序盤から前に出ていく濱口に対して高速のコンビネーションで捉える村井。
立て続けにもらっても、タフネスで鳴らす濱口は止まらない。
ただ、大きく振るう濱口のパンチに対して危ない場面を作ることはなく
コンビネーションで幾度も濱口の顔面を叩いて1Rが終了…。

ここまでの展開は予想できたところ、
ここから何かを巻き起こして来たのが濱口…そんな思いに駆られる。

2Rに入ると、ボディをきっかけに村井をロープまで押し込んだ濱口。
いよいよ濱口劇場に火がつくか…そう思った刹那。
ガードの上を撃たせながら、濱口の左フックにドンピシャの左フックを合わせる村井。
強烈に顔面を弾き飛ばされた濱口がそのままリングへ倒れ込む。

立ち上がろうともがくも、完全に足に来ている状態。
一度は立ち上がったが、上半身が持ち上がらず、
もう一度リングに手を着いたところでレフリーがストップ。

あの濱口が倒された…。
かつて同じ刈谷のリングで、対戦相手とただひたすらに拳を顔面に
叩きつけ合うような試合をし刈谷あいおいホールを揺らした濱口…。
信じられないような打たれ強さを誇るハズの濱口を…。

村井はキャリア豊富な選手だが、その多くを西日本のリングで戦ってから
中日本の名古屋大橋ジムに移籍してきた選手。
これまでの戦いを知らない分、特徴を把握できないような感覚でいた。

…が、前戦ではクセモノ松浦克貴(岡崎)を高速コンビネーションで封じ込み、
そしてこの日は、抜群のタイミングで左フックのカウンターを叩き込んだ。
試合を支配する武器を持ち、さらに一撃で斬って落とす武器もある。
メインイベンターに相応しいその強さをまざまざと誇示して見せた。

これまで、大激闘や度胆を抜く変則パンチでその姿を見るものの記憶に刻み付けて来た濱口。
倒されっぷりまで凄まじく、この試合もまた記憶に残る一戦となった。

この試合、試合前の挑発シーンと、KOシーンがSNSを通じて海外にまで拡散された。
「ヒール上等」で挑んだ一戦、中日本、国内を飛び越え、濱口は海外でヒールに…。

思わず笑ってしまった。
相変わらず、想像以上のことを巻き起こす選手…負けてなお。

ヒール上等で盛り上げようとする濱口。
何言われるかなんてわかってるはずなのに一緒にやる市野会長。
強さを見せつけた村井。
濱口が倒されて試合が終わった瞬間、
対角のコーナーから猛ダッシュで濱口の元に向かう大橋会長。

この試合の登場人物たちはとにかく素敵すぎる。
配信出来て良かった、映像として残せてよかったと思える一戦となった。

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