2017/6/11 刈谷あいおいホール-6試合目、7試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2017/6/11 刈谷あいおいホール-6試合目、7試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【53.0㎏契約4回戦】
安藤 佳孝(中日) vs 栗原 祐樹(和光)
・安藤 佳孝 1戦1敗
・栗原 祐樹 デビュー戦

見どころ紹介で、安藤をデビュー戦と書いてしまったが、確認したところ2007年にデビュー戦を戦っていた。
当時は塚原京都ジム所属。

昨年11月にC級プロテストを受け直し、この日は10年ぶりの試合となった。
背中の左側から左肩にかけて、大きく火傷のような跡を持つ安藤。
10年前の試合の写真が確認できたので見てみたが、当時はそういった跡はない。

この10年の間に何があったのか…。
まだ33歳、この先戦っていく中で、彼の半生にフォーカスされる時が来るかもしれない。
 

身長、リーチで上回る安藤に対し、小柄だが横に大きくパワーがありそうな栗原。
ゴングとともに、一気に栗原が特攻する。

この試合までにどれだけ走り込んで来たのだろうか…
とにかく前に出て、グイグイ止まらない手数で攻めていく。
シルエットもスタイルも気持ちいいほど解りやすいブルファイター。

もみ合いのようなファイトに引きずり込まれる安藤。
後手に回ってしまった安藤だが、決して引かない。

勢いに押し込まれそうな展開の中、耐え抜きながら
栗原のアッパーに対して右を突き刺して逆にダウンを奪う。

ここは立ち上がった栗原。
回復を図ることもせず、またも詰めて撃ち合いへ…。

「俺にはこれしかない」

そんな声が聞こえてきそうな栗原の止まないアタック。
 

2R、二人の壮絶な撃ち合いが開始される。
ダメージを残す栗原を仕留めたい安藤だが、栗原の手数を持て余す。
飲み込まれてしまいそうになりながら…安藤は間に差し込んだ強打で栗原を揺らす。

安藤のテンプルへの一撃で、栗原はグニャグニャに体をくねらせながらも、
ダウンを拒否してさらに手を出していく。

決意と決意のぶつかり合い…そんな様相が感じとれる一戦。
 

3R、ダメージも撃ち疲れもあるだろう栗原。
それでも、ひたすらに撃ち合いを求める。

受け止める安藤の疲弊も感じられる。
そんな最中、またも安藤の一撃…意識が飛んだであろう栗原はまたもグニャグニャに揺れる。

普通のボクサーならきっと倒れている…。
意識を飛ばされながら、体がダウンを拒否し、
本能で意思を取り戻すための時間を稼いでる…。

ここで、安藤の追撃が無情に突き刺さる。
これまでのダメージの蓄積もあり、派手にダウンした栗原。
レフリーは即座に試合をストップ。
 

KOタイムは3R 1:47
 

安藤は、なぜあの栗原のラッシュを正面から受け止めたのだろうか。
栗原は、なぜあれほど強烈な一撃を浴びながら、最後の瞬間までこらえていられたのだろうか。

ボクサーの決意は、人知を超えたところにまで及んでしまう。
それが例え、駆け出し4回戦の試合だろうと。
両者の戦いは、”戦慄”という言葉がふさわしくさえ思えた。
 
 

【スーパーフライ級4回戦】
西上床 慎一(中日) vs 今村 太秋(緑)

・西上床 慎一 2戦2敗
・今村 太秋 2戦2敗

好戦的な今村に対し、身長とリーチに恵まれた待機型の西上床。
今村が西上床を追いかけまわす展開を想像していたが…。

この試合の立ち上がり、自分からは出ていかない今村。
痺れを切らした西上床が、長い体を折りたたんで入って行く。
ガードがおざなりな西上床の入り際に、今村が痛烈な撃ち下ろしをヒット。

一発のある西上床は大きなフックを振るうが、
それをかわして左フックを見舞う今村。

お互いに待ち合う展開の為、二人の接触は少ないものの冷静に対処する今村が
ポイントを奪っているように見える。
 

2R、一発に頼る西上床はジャブの数も少なく、フレームを生かせない。
大きく弧を描くボディフックは強烈、大ぶり気味ながら強烈なフックが一発ヒットするものの、
やはり入り際を叩かれてしまい有効打も手数も、今村が上回る。
 

3R、終盤までこれまでのラウンドと同じような展開が続く。
しかし、残り10秒、木拍子を合図に一気に攻めて出た今村。
すると、西上床は対処しきれず、防戦一方に。
 

4Rに入ると、手ごたえをつかんだか、今村が一気に攻めて行く。
リング上を追いかけまわし、最後は押しつぶされるように西上床がダウン。
レフリーはそのまま試合をストップ。
 

KOタイムは4R 1:52

これで今村は嬉しい初勝利。
フレームで上回る相手を誘い出すような戦いぶりに驚きを覚えた。
元来、気持ちの強さが光る今村なだけに、この試合がきっかけになれば…。
トレーナーさん…嬉しそうだったなぁ。
 

西上床はこれで3敗目。
フレームも、パンチも持っている。
誰しもが持ち得るものではないだけに…。
この選手が開花するところが見たい。
 
 

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