2018/12/02 -刈谷あいおいホール- 第3試合~第5試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

2018/12/02 -刈谷あいおいホール- 第3試合~第5試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！
 
 

【56.0kg契約４回戦】
中村 龍明(市野)　vs　三輪 珠輝(松田)

中村 龍明　1戦1勝
三輪 珠輝　8戦4勝(1KO)4敗
 

1R開始直後、お互い見合う中、三輪が左ボディを突き刺せば、中村が左フックを叩き付ける。
ラウンド中盤、三輪の入り際に右フックを当てるなど、遠い距離からの探り合いは中村ペース。
しかし…ラウンド終盤に激しい撃ち合い。
三輪の右フックが突き刺さり、中村は足がもつれてダウン寸前の中、1R終了のゴング。
 

2R、このラウンド開始直後から激しい撃ち合いになり、お互いに捉え合う中、一旦三輪が距離を取る。
三輪の打ち終わり、入り際ともに捉える中村…緊張感ある中、間合いを制しているように見える。
お互いに踏み込み合う中、何度か頭が激しく衝突する。
 

3R、前に出てきた三輪に対し、撃ち合う中村だが…
相討ち連発のフックの応酬で、先に膝をついたのは中村。
立ち上がった中村…ダメージは深そう。
一気に詰めていく三輪…コーナーでクリンチに逃れる中村。
距離をとり、しがみつき、なんとかこのラウンドを乗り切る。
ここまでのマイジャッジ28-28…最終ラウンド勝負。
 

4R、ラウンド開始直後、三輪の右フックが中村を捉える。
中村も勝負のラウンド…引かずに撃ち合い、激戦へと発展。
パンチが入ったと思われる場面でも、ヘッドスリップでダメージを逃がす三輪。
これが2戦目の中村に対し、これで9戦目の三輪…巧い…。
会場はヒートアップ…大きな声援につつまれながら、撃ち合いはより激しさを増してラウンド終了のゴング。
 

最終ラウンド…どちらにつければいいか…。
10-10を付けたくなる中…ラウンドマストなら…中村か。

マイジャッジ38-37龍明
 
 

公式ジャッジが発表される。
 

39-38　三輪
 
 
 

残り二者　38-38
 
 

三輪から見て1-0のドロー
 
 

三輪は強い選手だと思う。
何も出来ずに負けた試合もある。
刈谷が揺れる大激戦をしたこともある。
勝ちながら、納得できない試合をしたこともある。
選手生命を脅かすほどのケガで長いブランクを作ったこともある。
4回戦で戦い続けた中身の濃い9試合。

鋭利なボディを持ち、クレバーで巧さがあり、スリルのある選手になった。
6回のリングに上がる資格は手にしている。
早く…この選手の6回戦が見たいと感じる。
 

中村はデビュー2戦目にしてこの相手は…少し背伸びをした感じもあった。
ダウンさえなければ…のドロー。
現時点、上出来だと感じる。

もらってはいけないパンチをもらった。
それだけのこと…しかし、勝ち続けるには最も重要なこと。
もらってはいけないパンチを相手に浴びせる…それがボクシングの詰まるところ。

来年には、新人王戦がある。エントリーするかどうかは不明だが…。
きっとして来るのではないかと思っている。
その前にいい教訓を得られたのは収穫ではないだろうか。
ここから、強みを増して来年に挑んでくるだろう中村が楽しみで仕方ない。
 
 

【バンタム級４回戦】
大林 鮎真(三河)　vs　杉浦 慶政(岡崎)

大林 鮎真　1戦1敗
杉浦 慶政　デビュー戦　サウスポー
 

1R開始直後、いきなり仕掛けていった大林。
右ストレートで杉浦を捉えると、二人は激しい撃ち合いに。
数多く捉えるのは大林の方だが、前に圧力をかける杉浦の右フックを効かされて後退。

見るからにファイター体系の杉浦。
ズンズンズンズン前に進んで猛烈に振るう。
対して長身痩躯の大林はコーナーに押し込まれ、強烈な左ボディを浴びる。

止まらぬ杉浦の圧力の中…下がりながらもしっかり撃ち合う大林。
劣勢に回ったように見えた大林だったが…ロープ際で右フックを効かせると、
このチャンスにそのまま右を連続で撃ち込み、杉浦が崩れ落ちる。

ここは立ち上がった杉浦だったが再開後に攻め込んだ大林、
最後は右ストレートを綺麗に決めて2度目のダウン。
大の字のまま動けない杉浦に、レフリーは試合をストップ。
 

TKOタイムは1分59秒。
 

魅力的なファイターに思えた杉浦。
最近、4回戦で魅力的なファイトを魅せている選手には
デビュー戦1RKO負けがやたらと多い。

どの選手も、手痛い敗北から、その怖さを糧にして強くなっている。
きっとこの選手もそうなるだろう。

サウスポーのファイター…インファイトでサウスポーの強みが活かせるか…。
フィジカルの強さも感じた…楽しみな存在だと思う。
 

デビュー戦ではダウンを奪われ、フルマークの判定負けだった大林。
いいところなく消化してしまった12分間だったが…。
この試合、驚きの逆転KO劇に見えた。

効かせたチャンスを逃さずものにした。
立ち上がった相手を確実に仕留め切った…。
「嗅覚のある選手」…また面白い選手を見つけた。

しかし…残念ながら、大林はこの試合を最後にするそう。
警察官になり、プロボクシングのリングからは降りるとのこと。

何もできなかったデビュー戦から、この日の痛快激。
たった2戦…だけど、しっかり記憶に残った。
大林 鮎真のドラマを見せてもらった。

初勝利おめでとう…お疲れ様…戦ってくれてありがとう。
 
 

【フェザー級４回戦】
阿部 史也(タキザワ)　vs　古俣 諒(浜松堀内)

阿部 史也　2戦1勝(1KO)1敗　サウスポー
古俣 諒　2戦1勝1敗
 
 

1R、少し遠い距離で探り合う二人。
プレスをかける古俣に対し、右で距離を測って左ストレートを撃ち込む阿部。
右フックをひっかけながら入っていくシーンを何度か作る阿部だが
そのまま発展する撃ち合いが長くなると、古俣は巧く外して自分の拳を当てていく。
 

2R、ラウンド開始直後、阿部のいきなりの左ストレートが古俣の顔面を捉える。
中盤に差し掛かろうかというところ、阿部が距離を維持しながら、
強烈に上下に拳を撃ち込んでいく。

古俣はあとわずかに距離が遠く、なかなか阿部の顔面を捉えられない中、
強引に詰めてボディをえぐるも、また距離が空くとなかなか手が出ない展開となる。
右フック、左ストレート、左ボディ…阿部のパンチが強烈に古俣を捉えるシーンが目立つ。
 

3R、開始直後、古俣の入り際に阿部の左ストレートが突き刺さり、古俣はたたらを踏んでロープまで後退。
一気に距離を詰めた阿部、次々に古俣を捉えていく。
鋭利にボディを効かせた阿部が、さらに左ストレートを撃ち込んだところでレフリーがストップ。
 

TKOタイムは3R 1分49秒

ロープに詰められたわけではないが、なかなか手が出ず、一方的になりつつあった試合。
もらい続けている古俣に対し、このタイミングでのストップはナイスストップに思えた。
 
 

明らかなチャンスまでリスクを冒さなかった試合運び。
この日の阿部の戦いぶりは完璧に近いものだったように思う。
ブレない体感の強さ、一つ一つのパンチが効きそうにも感じる。
来年の中日本新人王候補本命に浮上と感じた。
もちろん、トーナメントの兼ね合いもあるが…充分に有力候補だと感じている。
 

古俣はこれで2連敗…距離がつかめぬままに終わってしまった試合。
しかし、前回の試合からは体つきから変わっていたように感じる。
ボクシングは相手あってのモノ、こういう試合になることもある。

前回より強くなった自分を、実感できなかったのではないだろうか…。
しかし…間違いなく強くなっていると感じる。
自分を信じれなくなったらおしまい。
このまま、進んでいって欲しいと感じた。
 
 

来年の新人王戦に向けて布石となる試合たち。
全日本が狙えるだろう選手たちがちらほら。

飛び抜けた本命は今のところまだいない。
しかし…粒揃い。

激戦続きを予想してしまう4回戦の熱い戦いに、新人王戦が開幕する春が待ち遠しくなる。
 
 
 

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