2024/3/31 -愛知・刈谷あいおいホール- 第1試合～第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
■2024年度中日本バンタム級新人王準々決勝
【バンタム級4回戦】
松原 靖貴(トコナメ) vs 中村 列亜(畑中)
詰めていく中村に対し、まわる松原。
中村のジャブが細かく松原を捉えていき、
スリークウォーター気味のアッパーでアゴをえぐる。
時折強烈に返す松原だが、中村がワンツーを軸に追い込んで行く。
しかし、ラウンド終盤、松原が猛烈な乱打で反撃し、
中村の顔面を強烈に捉えていく。
2Rには松原が強烈な右フックで中村の腰を落とし、KO目前まで迫るが
今度は中村がワンツーで逆襲、試合は乱打戦となる。
終盤は中村が一方的に撃ち込んで2R終了。
3R開始直後、松原が一気に攻めて出る。
しかし、中村の左ボディが展開を変える変える。
動きが落ちた松原を襲っていく中村、時折の強烈な反撃にもひるまず
最後はロープ際で再度、ボディを効かせてのラッシュ。
レフリーが割って入ってTKO勝利。
TKOタイムは3R 1分19秒
4回戦の二人が、今年の刈谷あいおいホールの
オープニングアクトとして最高の仕事をしたように思う。
一気に熱量を注入したような二人の激戦。
松原は勝ち星こそ遠いものの、デビューから4試合連続で面白い試合を展開。
今後「面白い試合」というテーマで選手の名前をあげるとすれば、松原を推したい。
そして、ボディから勝ち切った中村、激戦を制して準決勝へ進出。
デビューから2試合目、タフな試合を踏んだことは大きいと感じる。
準決勝では昨秋、林田 翔麗(三河)を逆転のKOで破った綾野 太晴(中日)が待ち受ける。
松原 靖貴 4戦3敗1分
中村 列亜 2戦2勝(2KO)
■2024年度中日本バンタム級新人王準々決勝
【バンタム級4回戦】
樽田 琉佑(名古屋大橋) vs 林田 翔麗(三河)
積極的に攻め込む林田に対し、鋭くカウンターで捉えるサウスポーの樽田。
スピードあふれる攻防で、お互いに奥の手のストレートを突き刺し合う。
1Rラウンド中盤、お互いの大砲が交錯した場面、捉えたのは林田の右。
効いた樽田が後退したのを追いかけ、コツコツ叩いたところで力なくダウン。
かなり下半身に来ているか…。
樽田が立ち上がったところで1R終了のゴング。
2R、樽田の鋭い反撃にも全く怯まず、林田が強烈にボディを攻め立てる。
脇腹に左フックを強烈に突き刺すと、樽田が後退。
コーナーに押し付けると、左ストレートを突き刺してとどめ。
ワンテンポ遅れて沈み込んだ樽田にレフリーはノーカウントで試合をストップ。
TKOタイムは 2R 1分48秒
ハイレベルな中日本バンタム級新人王トーナメント、
現地の声では最も評価が高い林田が圧倒。
評判通りの強さを見せつけた格好だ。
準決勝に進出し、自分が優勝候補に推す小川 昂輝(駿河男児)と対戦予定。
ファイター相手の戦いぶりにも期待したい。
樽田は初見だったが、スピードもある、際どいタイミングでのカウンターもある。
まっすぐ伸ばすパンチにはキレもある。
今後の戦い、充分に期待できる選手であることは示した。
この敗戦を踏まえての「次」に期待したい。
樽田 琉佑 1戦1敗
林田 翔麗 2戦1勝(1KO)1敗
■2024年度中日本スーパーバンタム級新人王準々決勝
【スーパーバンタム級4回戦】
高橋 梨久(トコナメ) vs 白井 優成(駿河男児)
試合開始直後こそ左を当てていた高橋だったが、
白井が飛び込みながらの左アッパーでダウンを奪取。
白井の至近距離での左ショートアッパーはスリークウォータ気味にアゴをえぐり。
離れれば鋭く左でジャブを飛ばしていく。
オーソドックスvsサウスポーでは奥の手のストレートが当たりやすいのが定番だが、
白井はしっかり前の手で高橋を制していく。
高橋は時折パンチがヒットさせても、至近距離入るには至らず。
白井の突如飛び込んでのショートに襲われる。
2Rは長い距離を左で制し、時折飛び込んで襲う白井、ボディへの打ち分けも増加。
高橋は貰いながらの一撃を繰り出して展開脱却を狙うが
白井がヒットアンドアウェイで高橋を翻弄していく。
3R、ゴリゴリと攻め込み始めた高橋。
細かくステップしながら入り込もうとする高橋だが、
入ってきたところにショートを合わせる白井。
高橋がトライの数を増やしたことで近い距離での時間が増えるが、
白井は自分のパンチを多く当てたところでクリンチで流れを切る巧者ぶりを見せる。
クリンチからの離れ際も背中に大きくスペースを作った状態で相手を離す。
4R、より圧を強めた高橋、これまで以上にパンチを当てるが、
白井は貰うたびに小さく撃ち込むパンチを、より多くやり返して主導権は渡さず。
高橋に乱戦に持ち込むことさえさせず、巧みな巧みな試合運びで試合終了のゴング。
マイジャッジは40-35で白井
公式ジャッジ
40-35、39-36×2
3-0で勝者白井
好戦的な高橋だからこそ、しっかりしたヒットを奪うことができていたが
それでも、反撃ではより多くの小さいパンチを浴び、
撃ち合いや乱戦に至る前にクリンチで流れを切られた。
この試合は相手に封じられてしまった試合…出したいものを出せずの試合だったように思う。
対して、デビュー戦に引き続き、サウスポーへの強さをしっかり見せた白井。
試合運び自体も極めて巧く、対オーソドックスでも同じような戦いぶりは期待できる。
準決勝では優勝候補の藤本 翔大(LUSH)が待ち受ける。
高橋 梨久 3戦2勝1敗
白井 優成 2戦2勝
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