2023/10/22 -静岡・ツインメッセ静岡- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
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【スーパーフライ級8回戦】
佐野 遥渉(LUSH) ○ vs 青山 功(セレス)
3-0 (78-74、78-74、79-73)
佐野 遥渉(LUSH) ○ vs 青山 功(セレス)
8R判定 3-0(79-75、78-74、78-74)
立ち上がりから小気味よく積極的にジャブを突いて行く青山。
佐野はそのテンポに付き合わず、待ちの体制を取りながらも的確に拳を浴びせる。
2R、駆け引きに長けた佐野をさらに上回るように、一発当たればそこから繋げる青山。
強烈な右フックも連続でヒットさせ、ベテランが主導権を握るかに思われた場面、
佐野は冷静にジャブをヒットさせて作り直し、主導権を手繰り寄せる。
3Rの撃ち合いでははっきりと効かせて優勢。
一気にラッシュにかかるが、青山が撃ち返すことで窮地を脱出。
守りに入りたくなる場面で、しっかりと正解を出してくるあたりが経験値か。
後半には相撃ちを繰り返す二人。
4Rには青山が詰めると、佐野はロープ伝いに動いてその距離を回避。
ミドルレンジで効かせて一気にチャンスを迎える。
しかし、後半には青山が逆に効かせて佐野をロープに追いつめる。
お互いに効かせ合う展開。
主導権はやや佐野か、しかし最後を撃って終わる青山にポイントが流れている可能性も。
6Rの足を止めて撃ち合う場面では青山が右フックを連続でヒット。
佐野は自分のほほを叩いて「撃ってこい」のジェスチャー。
二人の熱力が上がっていく。
軽やかにステップを踏みながら左を突き刺していく佐野。
下から突き上げるようなジャブが青山の顔面を突き上げる。
青山が詰めて撃ち合いに持ち込めば、右フックが捉えていく。
最終ラウンドに入ると激しく撃ち合う二人。
最後は佐野がロープに詰めてラッシュの中で試合終了のゴング。
マイジャッジ 77-75 佐野
78-74×2、79-73 佐野
敗戦して引き上げる青山には大きな拍手が送られた。
その時間は長く長く続いた。
敵地で戦う選手に贈られる尾を引く拍手は、
その選手がその地方のファンに認められた証。
強い強い日本ランカーとして、青山が静岡の地で認められた…。
敗戦の数は自分より強い相手に立ち向かった数。
そして、自信を打ち砕かれるような場面から立ち上がった数。
負けに打ちひしがれるボクサーの希望にもなり得る。
客席で何かに立ち向かおうとする人達の支えにもなり得る。
また、中日本のリングに上がって欲しい。
素晴らしいボクサーだった。
対して、看板として自ジムの初主催興行のメインイベンターを務めた佐野。
A級初戦でもあり、そこにベテランが立ちはだかる。
難しい要素てんこ盛りの試合を、佐野がまとめて弾き返した。
大差判定勝ちが示すほど楽な試合ではなかったはずだが、
青山が魅せつけるベテランの強さを、佐野がジャブで突き放した印象。
この試合、リングを飛ぶように周りながら突き刺した鋭利なジャブが映えた。
全日本新人王を獲得後、ランカー対決に勝利したことで
堂々日本ランカーとしての実力を示したと思える佐野。
看板として、主役として、その肩に背負うものが大きい選手。
しかし、それはこの先、彼が勝てば勝つほど大きくなっていくはず。
いずれは、日本国内を越えて…、今の若い若い佐野が浴びる大きなプレッシャーは
この先の戦いで、それに負けない佐野を創り上げてくれると思っている。
二つの拳で様々なものを打倒していくのがボクサーだと思う。
佐野はその物語を完遂するのに充分な拳を持っている。
佐野 遥渉 8戦7勝(3KO)1分
青山 功 26戦13勝(4KO)12敗1分
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