2023/10/08 -岐阜・じゅうろくプラザ(二部)- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【ライト級4回戦】
田中 友介(西遠) ○ vs 石原 蒼(中日)
3RTKO
体格で上回る石原に対し、鋭く踏み込んでジャブで刺し負けない田中。
接近戦でも小回りが利く田中に分があるか、至近距離でしっかりとヒットを奪う。
2Rに入ると、ジャブを突きながら潜り込む田中を、
持て余し気味にもなりながら、強烈な左ストレートで襲った石原。
ラウンド終盤には固さも抜けて来たか、上半身柔らかく田中をいなす姿も見せる。
3Rに入って圧を強めた田中。
追いかけて接近戦を挑む場面が増えると、石原がクリンチで逃れる場面が増える。
押し合いの中での疲弊もあるか、ボディで石原の動きが止まる場面もあり。
手が出ず防戦一方となった展開に、レフリーが試合をストップ。
3R 2分47秒
後半に向けて動きも良くなってきたところで、田中の圧力に削られたように見えた石原。
思うように動かない体や、ペースの難しさを経験した。
敗戦したが、得るものとしては多くあるデビュー戦だったようにも思う。
懐の深さを活かせれば、好選手になる姿も想像できる。
今後の戦いぶりに期待したい。
先に先に鋭く踏み込んで行くことで、一回り小さな田中が押し込む場面を多く作った。
テンポの良さと、接近戦のショートで、相手に休む時間を与えなかった。
パンチ以外の部分でも、相手を消耗させる戦いぶりだったように思う。
テンポの良さは見ている側にも気持ちよさを産む。
好戦的なファイトもまた、愛される要素になっていくように思える。
人気ボクサーになれる要素を持った選手。
これからのボクサーズロードを楽しみにし
ていたい。
田中 友介 1戦1勝(1KO)
石原 蒼 1戦1敗
【スーパーフェザー級4回戦】
ハンマー・タク(岐阜ヨコゼキ) ○ vs 森 啓介(タキザワ)
2RTKO
ガードを高く上げ、接近戦を仕掛けていくタクに対し、
隙間に撃ち込みながらしっかりと応戦していく森。
タクの強烈なボディ、森のコンビネーション…甲乙つけがたい出だし。
2R開始直後、お互いにフックを振り合った場面、ハンマーの一撃が炸裂。
左フックがカウンターで突き刺さり、森がリングに崩れ落ちる。
ノーカウントストップの衝撃的なKO劇。
これまで、4連敗で勝ちが遠かったタク。
積極的な選手ではあるが、この日はよりその姿が顕著だった。
だからこそ、持て余した森から隙を作り出したようにも見えた。
その姿は地元リングでの声援に応えんとする姿にも見える。
しっかりと観客の力を自分の力に変えての結果…。
リング外の思いをしっかりと背負って勝利につなげる姿は、
プロボクサーとしての崇高な姿だったように思う。
どれだけ負けても、観衆に夢を与え続けるハンマーの一撃。
タクの拳には浪漫がある。
「これぞプロ」の姿をしっかりと刻み付けた2勝目だったように思う。
前に出続けるタクに対して、持て余し気味になる中、不用意なパンチを出してしまった。
そこに突き刺さった一撃…たった一撃で、拮抗した展開に決着をつけられてしまった。
瞬間を奪い合うスポーツ…森が悪い選手ではないだけに、より無情な感覚を受ける。
3度の負けから立ち上がった男、しかし…勝利には届かなかった。
このまま終わって欲しくない。
森が悪い選手でないことを知っている人間は沢山いる。
プロのリングで勝てる選手だということを信じている人が沢山いる。
いつかの勝利を得るためには、勝つまでやる以外に方法はない。
彼がまた、立ち上がってリングに戻って来る日を待っている。
ハンマー・タク 8戦2勝(2KO)6敗
森 啓介 4戦4敗
【48.5Kg契約4回戦】
高橋 昭麿(ARITOMI) vs ○ 山崎 大地(唯心)
0-3(35-40、37-38、36-39)
試合開始から激しく拳を交換し合う両者。
山崎は強烈なボディを撃たれながらもグイグイ押し込んで行く。
1R後半、下がっていた高橋が足を止めると激しさはより増していく。
激しく頭が衝突しても全く怯まない両者。
怒涛の手数で攻め込んで行く山崎。
見栄えのいい左ストレートを撃ち込む高橋。
2R後半ミドルレンジでストレートを撃ち合った場面
山崎の右ストレートが刺さってダウンを奪取。
3R、ダウンを奪われた高橋が細かい手数で一気に攻めて出る。
両者とも激しさを増していく。
前半は高橋が山崎に手を出す暇を与えないほど責め立てるが
後半に入ると山崎が強烈に右で捉える場面を見せる。
ラストラウンド、ダウンを奪われている高橋が効かせる場面を見せるも
全く守りに入らず反撃に出る山崎。
強烈に右を突き刺しながら出て行く山崎。
左で跳ね上げて止める高橋。
試合は大激戦のまま終了。
大きな拍手が送られた。
二人の気持ちが前に出たようなファイト。
第50回岐阜ボクシングカーニバル、唯一の判定決着はこの日のベストバウト。
両者とも、この試合を戦ったことを誇りにして欲しい。
技術もへったくれもない…二人の殴り合い。
まだまだ未熟な二人、だけど観衆を熱くさせるという意味では
プロとしての試合を完遂した。
これだけの試合をした以上、今後期待がかけられるに相応しい二人。
これからの道のり、楽しみにしていたいと思う。
高橋 昭麿 2戦2敗
山崎 大地 1戦1勝
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