2026/8/2 -愛知・刈谷あいおいホール- 第5試合~第7試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
■2026年度中日本スーパーバンタム級新人王決勝
【スーパーバンタム級4回戦】
鈴木 蒼平(とよはし) vs 佐治 大輝(タイガーウイング)
積極的にジャブを突いていく佐治。
じりじりと詰める鈴木に佐治が鋭くワンツーを突き刺す。
そんな中、突如としてそのシーンが訪れる。
佐治が突き出した右に鈴木の左ストーレートがクロスカウンターで突き刺さる。
痛烈なダウンシーン…。
再開後、攻め込む鈴木に対し、撃ち返して対抗する佐治。
撃ち合いになる中、今度は鈴木の右フックが突き刺さって2度目のダウン。
ここでレフリーは試合をストップ。
TKOタイムは1R 2分36秒
2つの引き分けはありながら、無敗でB級昇格王手としていた佐治。
多くの応援を受けながら、ここまで華のある戦いを繰り広げてきた。
たった一発のクロスカウンターで試合が決定づけられた。
ボクシングの恐ろしさをその体に刻まれるような初黒星。
ただし、これで彼の魅力が削がれるわけではない。
無敗ではなくなった、ただそれだけの話。
弱くなるわけではない、これまで放って来た魅力が消え去るわけではない。
ここから、復活の物語を描けるか否か。
負けたからこそ、より深みを増していくと感じている。
負けに負けるな、負けてからがボクシング。
そして、少しぶきっちょにも見えながら、独特のタイミングを持つ鈴木。
実力はしっかりとありながらも、ライバルたちにその道を阻まれて負け越し。
この試合で中日本新人王を獲得し、かつB級昇格。
8戦を擁してここにたどりついた。
報われなかった時期を見てきたからこそある感動。
見てきた人たちに最高の贈り物を届けたようにも思える。
ここからは、より大きな期待を背負って戦う道のり。
我らが中日本新人王として…全国で大きなドラマを巻き起こして欲しい。
鈴木 蒼平 8戦3勝(2KO)3敗2分
佐治 大輝 5戦2勝(2KO)2分1敗
■2026年度中日本フェザー級新人王決勝
【フェザー級4回戦】
吉田 真虎(西遠) vs 山辺 大地(市野)
プロのリング、ファイターとして6戦を積み上げてきた吉田に対し、
2戦目の山辺が足を止めてファイト。
上下左右、多彩に飛んでくる山辺のパンチに
KO寸前と思えるところまで追い込まれる吉田。
しかし、ファイトは吉田の土俵…意地を見せるかのように右フックをねじ込んで見せる。
後半、もらいながらでも攻め込んでいく吉田。
一方的だった試合の差が徐々に埋まっていく。
押し合いながら、できた隙間に右ストレートを滑り込ませる吉田。
本職のファイターが意地の盛り返しを見せる。
しかし、山辺も肩口から右を放り込んで捉え互角に渡り合う。
最終ラウンドは熾烈な殴りあい。
山辺の右ストレートが突き刺さり、そこからパンチをまとめる。
大きな見せ場を作って突き放す。
ここも踏みとどまって、反撃に転じる吉田。
撃ち勝っているのは山辺、しかし…譲らないどれだけもらっても返してく。
試合は激戦のまま試合終了のゴング。
マイジャッジ39-37で山辺
公式ジャッジも39-37×3の3-0で山辺。
譲れない戦い…今年デビューして来た新たな才能に圧倒された吉田。
山辺が圧倒する展開だった序盤をこらえ、3Rにまさかの盛り返しを見せた。
至近距離での戦いでプロのリングを生きてきた吉田。
まさにファイターとしての意地を感じる戦い。
敗戦した試合だが、自分が見てきた吉田の試合の中でもベストバウト。
見ている者の感情を突き動かす戦いぶりだった。
完全に足を止めた山辺が吉田の土俵に乗り込んで、そこで上回った。
本職ファイターに真っ向から撃ち合った決勝戦。
3Rには意地の反撃を受けるも、最終ラウンドにはしっかりと見せ場を作って勝利をもぎ取った。
ただ勝っただけじゃない…歴戦のファイターに対し、相手の土俵に乗り込み、
最も強い吉田を引き出してそのうえで勝ち切った。
まさに「1番」であることを誇示するようにして勝ち取った中日本新人王。
我らが代表として、堂々全日本新人王獲りに挑んでほしい。
吉田 真虎 6戦3勝(2KO)3敗
山辺 大地 2戦2勝(1KO)
■2026年度中日本スーパーフェザー級新人王決勝
【スーパーフェザー級4回戦】
ゴメス・ヒデキ(とよはし) vs 中尾 公信(市野)
接近戦となる中、サイドに動きながら中尾に痛烈なパンチを叩きつけるゴメス。
開始直後には中尾が揺れる場面も…
ここを中尾がこらえると試合は押し合いながらのファイトへ。
地味ながら休むことなく、淡々と拳を繰り出し続ける中尾。
消耗戦の中、後半に進むにつれて中尾の手数が上回っていく。
ただ、ゴメスが時折放り込む強打は流石の威力。
試合はスイングラウンドが続いていく。
最終ラウンド、詰めて行く中尾に下がりながらゴメスのアッパーが刺さる。
強打をまとめていくゴメス…デビュー戦で見せたのと同じ。
嵐のように強打を撃ち込んでいく。
足は前に進むも中尾の手は出ず…
ゴメスの強打が立て続けに入る中でレフリーが試合をストップ。
TKOタイムは 4R 1分32秒
マイジャッジは最終ラウンド時点、中尾が1Pリード。
レフリーのストップがなければドローもあり得たように思えた。
ただ、ストップの場面ではゴメスの強打が立て続けに中尾を捉えていた。
ダメージが蓄積しているはずの最終ラウンドのこの展開。
まだやれた…とは思うし、ドンピシャ妥当とも思わないが、致し方ないタイミングと思えた。
あと一歩、中日本新人王には届かなかった中尾。
この新人王戦で一番の成長を見せ、決勝まで勝ち上がって来た。
その最中、多くのファンたちを魅了した戦いぶり。
現役選手たちやトレーナーたちも、いたるところで中尾の名前を口にする。
トーナメントはここで敗退だが、中尾にとっては大出世となった今年の新人王戦。
B級昇格の権利も手に入れた…ここからのB級戦線。
中尾が巻き起こす新たな奇跡を楽しみにしている。
そして、最終ラウンド、押し合いの中で両者疲弊しているかに見えた場面。
ここで繰り出したゴメスの痛烈なアッパー。
苦しいはずの試合展開の中、あの場面であの威力を出力できる…。
底力を見せつけるようなTKO劇だった。
破壊力だけでなく、粘り強く戦い切る力もある。
その力をしっかりと誇示したうえで、中日本新人王の獲得。
ここからどこまでKOを積み上げていけるか…。
全日本新人王戦、後楽園ホールを震撼させる姿が今から楽しみでならない。
ゴメス・ヒデキ 2戦2勝(2KO)
中尾 公信 12戦4勝(1KO)7敗1分
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