2021/09/05 -静岡・ふじさんめっせ産業交流展示場- セミファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

WBCフライ級ユース王者
OPBF東洋太平洋フライ級3位
WBOアジア太平洋フライ級1位
日本フライ級3位
　畑中建人　11戦11勝(9KO)

　須藤大介　17戦7勝7敗3分

1R、ファイター須藤、ガードを固めて前進あるのみ。
ジャブをついてまわる畑中だが、パンチを交えるシーンでは足を止めてしっかりと撃ち合う。
須藤のファイトスタイルを真正面から受け止める気か…。

2R、お互いガードが堅い中、グイグイと詰める工藤だが、
ガッチリガードを固めながらだが、須藤の撃ち終わりに畑中の左フックが頻繁に突き刺さる。
ラウンド終盤には畑中が少し距離を開けてジャブを突き出していく。

3R、距離が近付くと、須藤がコンビネーションをヒットさせ、畑中が反撃のボディを叩きつける。
試合は撃ち合いへ、激しくパンチを交換するが、須藤のガードは固く、また畑中も芯を外す。
ラウンド終盤にも撃ち合いの場面が訪れるが、
この場面では畑中が強烈に須藤のボディをえぐるシーンが目立つ。

4R、ラウンド開始直後から左右フックで須藤を襲った畑中だったが、
須藤はボディからの右アッパーで畑中の顔面を捉えるシーンを作る。
次第にリズムに乗って須藤を捉え始める畑中。
須藤は入り込もうとする度に捉えられ、攻め込むシーンを与えてもらえず。

5R開始直後から一気に詰めて手数を大きく増やす須藤。
畑中を後手に回らせてヒットを重ね、ロープに詰めてパンチを纏めるシーンも作る。
ノーランカーが、日本上位ランカーをはっきりと苦しめる。

6R、足を使いながら組み立て直すようにジャブを突く畑中。
終始主導権は畑中側にあるように見えるが、須藤の方もひとたび捕まえれば、
回転のいい連打で畑中の顔面に襲い掛かる。
アゴをえぐるような左フックもヒットさせ、ヒヤリとさせる。

7R、頭を付けての撃ち合い。
畑中が強烈にボディをえぐりながら左右フックを浴びせてロープまで追い込む。
パンチを浴びて激しく顔面を左右に振られる須藤だが、それでもペースを落とすことなく
しつこくしつこく手を出し、回転で上回る場面も作る。

ラウンド終盤、撃ち合いが激しさを増すと、畑中が的確に顔面を捉えていきはっきりと撃ち勝つ。
ラウンド終了のゴングは、須藤が棒立ちの状態で迎える。

8R、一発一発の威力も、的確さも畑中だが、相手はファイトを貫いて来た選手。
見栄え悪く畑中の顔が跳ね上がるシーンも散見される。
しかし、それを上回り、畑中のボディで須藤が動きを止めるシーンも。
試合は熱く撃ち合った状態で終了…会場から大きな拍手が送られる。

マイジャッジ、78-74で畑中。

公式ジャッジ

79-73
79-73
78-74

3-0　畑中

「貫」の文字をトランクスに刻んだボクサー須藤。
生き様を見せつけるようなファイトぶりは、さらに厚みを増していた。
これで負け越しとはなったが、上位ランカーに食い下がった一戦。
試合を見た多くの人が、このノーランカーの魅力を認知しただろうと感じる。

対して、試合内容に満足いかないようだった畑中だったが
生粋のファイター相手に、相手の土俵ではっきりと上回った姿は、
しっかりとその力量を示すものだったようにも思う。
タイトル挑戦が現実的な位置まで来ている状況。

標的とする日本王者、ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)はベルトを巻いて以降も強さを増している。
コロナの影響で各ボクサーの試合間隔が安定しない中、いつどこでの予想は困難を極めるが…。
実現して欲しいと心から願うカードだ。

各選手の戦績はこちら。
ボクシング選手名鑑

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