2026/8/2 -愛知・刈谷あいおいホール- 第8試合~第10試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
■2026年度中日本ライト級新人王決勝
【ライト級4回戦】
辻 翔太(とよはし) vs 月田 翔一郎(浜松堀内)
剛腕を振るいながら迫る辻に、月田は足を使ってジャブを撃つ。
しかし月田が右を撃ち出したところ、辻は右を振り抜いてなぎ倒すようなダウンを奪取。
立ち上がった月田…今度は辻の右に月田が大砲を合わせ、辻が足をバタつかせる。
両者効かせ合う中、辻がロープまで押し込んで渾身の左を突き刺す。
月田はトップロープから落下しそうになるほどの勢いでのけぞりそのままダウン。
レフリーはノーカウントで試合を止めた。
TKOタイムは1R 1分44秒
効かせ合うシーソーゲームの末に壮絶なKOシーン。
試合前から期待されたハードパンチャー対決。
展開はお互いに見せ場ある期待通りの戦いだった。
ダウンを奪われ、そのまま飲み込まれる絵もあった試合。
月田の選択はGOだった。
自身がやられたように、大砲に大砲をぶつけてビッグチャンスを迎えた。
どちらが先になぎ倒すかの豪快な試合。
派手に倒された月田だったが紙一重だったように見えた。
移籍初戦、環境は変わったばかり。
まだ結果に繋がるには時間が足りないようにも思える。
ここから変化していく月田が見たい。
あと0.5勝でB級昇格…さらにその上で戦っていける選手へ。
そして、これでデビュー以来無傷の4連勝でB級昇格。
中日本新人王の肩書を手に入れた辻…。
ここからこの勢いのままどこまで登っていけるか。
言葉もそれほど必要ない、見ればわかるその魅力。
とよはしの剛腕が新人王の頂へ挑んでいく。
辻 翔太 4戦4勝(3KO)
月田 翔一郎 7戦3勝(2KO)3敗1分
■2026年度中日本スーパーライト級新人王決勝
【スーパーライト級4回戦】
桑瀬 豪輝(名古屋大橋) vs 堀田 悠真(駿河男児)
ファーストコンタクトでは桑瀬が堀田の撃ち終わりを捉える。
振るってくる堀田に対して、時折被弾を受けても落ち着き払って駆け引きを制していく。
しきりに右のオーバーハンドを繰り出す堀田、大きすぎるかなかなか桑瀬を捉えない。
撃ち合いの中でも桑瀬のコンパクトなパンチが堀田を次々に捉える。
堀田はもらいながらでも振るっていく。
しかし…もつれあう中で、堀田がアッパー一閃。痛烈なダウンを奪う。
立ち上がった桑瀬に攻め込むが、大きすぎるパンチは空を切る。
仕切り直し、的確に捉える桑瀬、2R終盤には堀田を棒立ちにさせる場面も。
3Rにはより圧力を増してくる堀田。
ジャブから作り直す桑瀬、数でははっきりと上回るが…
堀田はびくともせず、大きく振るい、時折捉える場面で桑瀬が大きく揺れる。
的確なのは桑瀬、一発の大きさなら堀田…そんな中、堀田が右ボディを突き刺す。
そこから一気に力感を失った桑瀬、堀田のビッグヒットが次々と突き刺さる中、
レフリーが試合をストップ。
TKOタイムは3R 2分53秒
堀田は押しも押されぬ優勝候補。
今年の新人王戦では頭一つ抜けていると思えた堀田に対し、
桑瀬の戦いぶりは大健闘と言っていいものだった。
もちろん本人は勝つつもりだっただろう。
どんなにこの負けを評価されようと、拭えないものがあるだろうと思う。
リングで浴びた悔しさはリングで返すべし。
来年の新人王戦へのエントリーがあるのであれば、間違いなく注目選手となるはずだ。
桑瀬の逆襲の物語が2027年の中心になるかもしれない…そんな予感さえさせた。
これまでよりも高い期待値を浴びて戦うことになるだろう道のり。
この敗戦を持って、桑瀬の新たな物語が始まるように感じた。
そして、しっかりと強敵を退けて中日本新人王を獲得した堀田。
大きなパンチを振り回しながら、倒したのはショートアッパー。
そして試合を決定づけたのは右ボディ。
ヒヤヒヤする試合とも言えるが、らしさ満点の戦いぶりだった。
MVPの肩書を手に入れ、名実ともに今年の代表として全日本新人王を獲得する旅へ出る。
期待値からすれば、堀田の全日本新人王獲得は絶対命題とも思える。
連続して中日本から全日本新人王MVPを輩出したものの、
昨年は全日本新人王決定戦への出場は1人、獲得者0に終わっている。
中日本の逆襲、その中心は堀田が担ってくれるはずだ。
桑瀬 豪輝 4戦2勝2敗
堀田 悠真 7戦6勝(6KO)1敗
■2026年度中日本ウェルター級新人王決勝
【ウェルター級4回戦】
近藤 裕真(名古屋大橋) vs 鳥居 翔太(緑)
オーソドックスvsサウスポー。
踏み込むタイミングを計り合いながら、踏み込んでいくのはオーソドックスの近藤の方。
鳥居は待ちの体制のまま1Rを終える。
2R開始早々、踏み込んで猛烈なラッシュを浴びせた近藤。
しっかりと見せ場を作ると、2R終盤にも攻め込む場面を作る。
ここまで自分からは仕掛けず、大人しすぎるくらいに大人しい鳥居…
左ストレートを狙っているか。
3R序盤、近藤が踏み込んできたところをフックで襲うと一気に畳み込んだ鳥居。
ここから鳥居が前に出始め、撃ち合いとなる場面が増えていく。
入って来る鳥居に対し、ガードを高く置きながら暴力的な右フックで叩く近藤。
ラウンド終盤には鳥居が左ストレートで捉えるが、
近藤は荒々しく左右フックを叩きつけて反撃。
最終ラウンドは密着しての撃ち合い。
ボディをえぐっていく近藤に対し、
耐えて押し込みながらパンチをまとめる鳥居。
試合終了直前、疲弊も見える近藤に攻め込む鳥居だったがタイムアップ。
マイジャッジは39-37で近藤。
公式ジャッジは39-37、38-38×2で、近藤から見て1-0のドロー。
優勢点は、ドローにつけた両ジャッジとも近藤につけ、
今年の中日本ウェルター級新人王は近藤に決定した。
鳥居にとってはまた届かなかった中日本新人王。
エントリー1名で獲得することもある地区新人王だが、
この肩書を獲りたくても獲れない選手がどれだけいるか。
鳥居のような好選手でもなかなか獲れない…
こういう選手が挑んでくれるからこそ、中日本新人王の価値を声に出せるとも思える。
遠回りし続けるキャリア…だからこそ、獲ったときの感動は大きい。
本人ももどかしいだろうが、見ているファンももどかしいはず。
「鳥居が乗り越える瞬間」は大きな感動を産んでくれるはず。
叶うことなら、また懲りずに挑んでほしい。
このドローでB級昇格と中日本新人王の肩書を手に入れた近藤。
9年前に中日本ライト級新人王を獲得したときは西部日本新人王との対抗戦で敗戦。
あの頃を越えていけるのか…戻って来た近藤が過去の自分を越えに行く。
ここから12月まで、近藤の描くドラマが続いてくれることを願っている。
近藤 裕真 7戦3勝(3KO)2敗2分
鳥居 翔太 6戦3勝(3KO)2敗1分
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